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2019年1月25日金曜日

同じ曲を様々な演奏家で聴き比べる。Scarlati: Sonata in D Minor, K.9

次回の楽曲セミナーでは、スカルラッティのソナタニ短調 K.9を勉強します。この曲はスカルラッティの曲の中でも、多くのピアニストが演奏する、大変ポピュラーな楽曲だと思います。ちょっとセンチメンタルなメロディーが大変美しい曲です。パストラーレ(牧歌風)という副題の付いている演奏もありました。出だしはこんな感じです。


どんな解釈をして、どんな音でどのように弾くのかを考える時、様々な演奏家の演奏を聴き比べてみると、非常に勉強になります。

まずはルーマニア出身のピアニスト、ディヌ・リパッティ (1917-1950)です。
透明で澄んだ音色で非常に美しく、私も個人的に大好きなピアニストです。


次のは大変興味深い楽器と演奏です。

Dongsok Shin performs the Sonata in d minor, K.9 by Domenico Scarlatti (1685-1757) on the earliest known surviving piano, made by the instrument's inventor, Bartolomeo Cristofori (1655-1731), in Florence, 1720. Scarlatti's keyboard compositions were performed on both the harpsichord and the early piano.
 あのクリストフォリがフィレンツェで最初に生み出したフォルテピアノ の現存版!フィレンツェ・1720年製だそうです。


次はイタリアのピアニスト、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(1920-1995)。このビデオはスカルラッティのソナタ5曲分が収録されています。イタリア人らしい、明るく、快活で歯切れの良い軽いタッチですが、音色に透明感があり、非常に美しいです。曲目はビデオの下に。ヘルシンキで1969年に収録されたビデオだそうです。


Domenico Scarlatti Sonata K.11 0:00 Sonata K.159 3:01 Sonata K.322 5:46 Sonata K.9 9:10 Sonata K.27 12:47 Arturo Benedetti Michelangeli Live recording, Helsinki, 22.V.1969

次の動画はまたチェンバロの演奏です。テンポも随分ゆっくりだし、随分即興的に変化を付けて演奏しています。1927年ブラジル生まれの演奏家のようです。

Part of the DVD to commemorate 250 years of Scarlatti, By Roberto de Regina Harpsichord

カナダ人ピアニスト、グレン・グールド(1932-1982)の演奏も見つけました。


一風極端な解釈で有名なグールドですが、参考になることもあります。
音は非常に澄んでいて綺麗。グールドについて知りたい方は次のリンクも参考にしてください。Wikipediaにある説明です。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89

バルセロナ生まれ、スペイン人ピアニスト、アリシア・デ・ラローチャ(1923-2005)の演奏も聴いてみましょう。イーストマンにいた時に一度だけ彼女の演奏を生で聴いたことがありますが、あの演奏からは想像もつかないくらいとっても小柄で、実は手も小さく、Wikipediaにも「手が小さく8度しか届かない中で美しく照り輝く音色と正確な演奏技巧、音楽の自然な呼吸と安定感ある曲の運びによって、モーツァルトショパンシューベルトシューマンラフマニノフにも優れた解釈を示した。」と解説があるくらいです。


では、1957年生まれのロシア人ピアニスト、指揮者にして作曲家ミカエル・プレトノフはどんな演奏でしょうか?


かなり個性的な演奏も、、
音がかなり足されていますし、低音を足して厚みをもたせてるところもあるかも。

色んなバックグラウンドを持つピアニストやハープシコーディストの演奏を聴くと、参考になります。今は様々な演奏が手軽に聴けるので、もっと色々聴き比べて、何処がどんな風に違うのか、自分だったらどんな演奏が好みなのか、色々考えながら聴いてみてくださいね。

2018年9月19日水曜日

Skypeピアノセミナー (9/21/2018)--J.S.Bach: Invention no.1

毎月1回、鹿児島鴨池にある1997年創業の英語・音楽(ピアノ・ヴォーカル)・カルチャー教室・エバーグリーン (http://cozyeg.com/)と大阪の自宅を中継で結んでセミナーを行っているのが、このSkypeピアノセミナーです。明日のために勉強、勉強。。。

9月のテーマは「J.S.Bach: Invention no.1」です。

バッハをどう弾けばバッハらしくなるのか分からない、どのように解釈して弾けば良いか分からない、自分がやっていることが正しいか分からない、などという意見もよく耳にしますし、と言ったいのが苦手という人も多いと思います。

もともと、バッハは今あるモダンピアノで作曲したわけではありません。音域も違えば、出る音量も違う。バッハの時代の楽器で演奏を聴いて、雰囲気を掴んでみましょう。

まずはクラヴィコード。

クラヴィコードはをタンジェントと呼ばれる金具で突き上げることで発音する鍵盤楽器である。長方形の箱形の楽器で、テーブルや専用の台などの上に置いて用いる。音量はチェンバロなどに比べると小さいが、打鍵の強さによって音に強弱をつけることができる。
(Wikipedia: クラヴィコードの解説 (Wikipedia))
 
クラヴィコードの演奏を聴いてみましょう。


 もうひとつ、非常に素敵な演奏をする、日本人の男の子がいるので、ご紹介。
アムステルダムで行われたバッハプロジェクトにも参加した、将来有望視されている男の子のようです。非常に音楽的。


クラヴィコード演奏:大藤莞爾
楽器制作:山野辺暁彦

彼はInvention No.2をハープシコードで演奏できているのですが、それもおすすめですが、それは、また別の機会に。。


次はそのハープシコードの演奏です。
(チェンバロのWikipediaの解説はこちらのリンクでご覧ください。)

ところどころに入る即興的な装飾音符と、フレーズとフレーズの間に入流、抑揚を表現するような間合いにも注目してみましょう。

  
Benjamin Alard, harpsichord

これらの弾き方を現在のピアノにどれだけ反映させるかは、それぞれの好みにもよると思いますが、分析などから得た情報や、その他の知識などと組み合わせて、曲の雰囲気、テンポの設定、指のタッチ、強弱を決める判断材料にしていくと良いと思います。


D.スカルラッティについて知ってみよう。(1)イタリア時代

イタリア・ナポリ出身でバロック時代の鍵盤曲に新しい用法を取り入れた重要な作曲家、ドメニコ・スカルラッティ。J.S.バッハやヘンデルと同様、1865年生まれの作曲家です。楽曲セミナーでD.スカルラッティの鍵盤ソナタを勉強するにあたり、生い立ちを調べ直してみることにしました。 ...