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2018年10月21日日曜日

組曲のリズムを感じよう。〜ジーグ〜

Wikipediaによると、ジーグは元々アイルランドのjig(ジグ)に由来するバロックダンスで、17世紀中頃にフランスに入ってきました。ジーグは宮廷舞踏には取り入れられなかったようですが、貴族や社会的行事などの集まりではよく踊られたダンスのようです。

鍵盤楽器の組曲の中では大抵最後に登場するのがテンポも早く、躍動的で、飛び跳ねる動作がある、このジーグ。3/8拍子が多いですが、6/8, 6/4, 9/8, 12/8を取ることもあります。中にはJ.S.バッハのフランス組曲 BWV812のように2/2で書かれたものもあります。

特徴としては、書式は対位法的。しばしば3拍目にアクセントがあり、これが民族調的な躍動感を生む要素となっています。ジーグがどんなステップなのか、いくつかの動画を観て観ましょう。








元になったであろう、アイリッシュ系の民族ダンスのジーグも見つけました!確かにステップにギャロップのような飛び跳ねる部分があるところがアイリッシュダンスを彷彿させるし、ステップが可愛くて面白い。





もう一度、フランスに渡った形のジーグのステップを見てみましょう。足の上げ方と手の形に非常に特徴があり、優雅でエレガントに見えます。





組曲に含まれる舞曲全ての特徴をなかなか覚えきれないのですが、バロックダンスの歴史や哲学、ステップなどを教えるビデオがあったので、それで勉強してみようかなここに貼り付けることにします。


英語ですが、観てみるときっと良い勉強になると思います。




2018年10月3日水曜日

ヨーロッパの領地獲得合戦の歴史が分かる![1000-2013]





ヨーロッパがどのように変貌を遂げてきたのかを領地獲得合戦から見て取れる!

栄光と衰退、一目瞭然です。

世界史を勉強している人たちも必見です!

和声の変化を追う; 中世からルネサンス、そしてバロックへ。

バッハのインヴェンションを教えるにあたって、もう一度、和声がどのように変化していったのかを復習しようと思い、本を開けました。あ!そうだった!改めて読み返すと思い出すことも多く、何度も読み返すもんだなあと思った次第。。

私のおすすめの一冊がこちら。「はじめての音楽史」 。
200ページとちょっとだけど、大事なポイントはしっかり押さえられている。
教科書的な本の割には、口調が物語チックで読みやすいと思う。


中世の音楽は数比に基づいて音程を理論的に捉えていたので、8度(2:1)、5度(3:2)、4度(4:3)を協和音程、3度や6度は不協和音程と捉えていました。14世紀を代表する音楽家、ギョーム・ド・マショー(1300頃~1377)の「ノートルダム・ミサ曲」のキリエを聴いてみましょう。


非常に特徴的で斬新な響き。
私は4度と5度の音程は硬くて四角い和声の響きだなあと思うのですが、そう感じるのは私だけかな、、?

これが15世紀初頭、フランス王位継承権をめぐるフランス王国とイギリス王国の間に起こった百年戦争(1337~1453) がきっかけで、イギリスより3度と6度が多用される音楽が伝わり、その甘美さより3度、6度も協和音程とする動きが起こります。ここで5度の音程比からオクターヴ内の音を決めるピュタゴラス音律から、3度と6度も簡単な数比で規定し、より調和した響きを生む純正律へと移行したようです。
イギリスから3度と6度の響きを伝えた立役者、ジョン・ダンスタブル(1390頃~1453)が書いた1曲を聴いてみます。


 John Dunstable; Veni Sancte Spiritus/Veni Creator Spiritus

やはり、先のマショーに比べて、柔らかい印象を持ちます。

ダンスタブルに影響を受け、初期ルネサンスを代表する音楽家の一人が現在北フランスからオランダ、ベルギーに当たるブルゴーニュ公領で活躍しただけでなく、ローマ、ボローニャ、フェラーラなどのイタリア各地の宮廷でも活動したブルゴーニュ楽派ギヨーム・デュファイ(1397~1474)の音楽はというと、、、



ちなみに。。。
中世に誕生したグレゴリア聖歌の中で歌われている"Ave Maris Stella"があったので、ご紹介します。


歌詞の対訳が掲載されたページがあったので、リンクします。
マリアを讃えた、美しい歌詞です。

歌詞対訳講座:アヴェ・マリス・ステラ
Wikipediaによる解説: アヴェ・マリス・ステラ

15世紀後半、ブルゴーニュ公の力が衰え、公領はフランス公家に接収されます。このフランドル地方出身の音楽家たちがヨーロッパ各地で活躍し、ルネサンス音楽を発展させていきます。その中で高い名声を築いたのがジョスカン・デ・プレ(1450?/55?~1521)。多声ポリフォニー技法を発展させ、歌詞を音楽でも表現することを考慮し始めた作曲家でもあります。一番特徴的なのは、モテットやミサ曲など宗教曲でよく使われている、「通模倣」と呼ばれる技法。同じ楽句を各声部ごとに少しずつずらして模倣的に歌いつなぎます。これは"Ave Maris Stella"ではありませんが、同様にマリアを讃えた歌詞です。




ルネサンス全盛期、イタリア出身の音楽家として最初に有名になり、多くの宗教曲を書き、後世の作曲家たちから厳格対位法(教会旋法による音楽の対位法)のお手本として学ばれることになる音楽家がジョヴァンニ・ピエルルイージ・ダ・パレストリーナ(1525頃~1594)が書いたAve maris stellaがこれ。ジョスカン・デ・プレの層のように繋がれていく通模倣が引き継がれています。



別のブログでも書きましたが、順次進行を主体とした簡素・平穏・緻密な合唱様式はパレストリーナ様式と呼ばれるものです。彼の音楽は調和を崩さないように、ほとんどのところで不協和音の処理が徹底しています。不協和音は弱拍に現れるよう設定され、それも準備、係留、解決を徹底して、変に人々の心を突くような和声の展開はしないようになっています。

この後も長短調の調性感がはっきりしてくるバロック時代の曲と比べてみましょう。同じ歌詞の曲が見つかったので、それを聴いてみます。曲はイタリア人作曲家、クラウディオ・モンテヴェルディ(1567~1643)。


急に和声がぐっと私たちの聞き馴染みのあるものに近づきました!

次のAve maris stellaはア・カペラ(声楽曲)ではなく、器楽による伴奏も入り、フロトッラ(frottola)という15世紀後期から~16世紀初期にイタリアで流行った世俗歌曲の雰囲気に似たメロディーで歌われた楽曲。イタリア人オルガニストで作曲家で聖職者のBonifacio Graziani (1604-1664)が書いたそうです。歌のDuetが生み出す不協和音の響きが強調され、他のバロック初期の音楽とも似た響きがあるので、選んでみました。


もちろん、中世やルネサンスの音楽も世俗音楽と教会音楽は違うので、世俗音楽の変化も追ってみたいと思いますが、こうやって同じ歌詞の曲がベースになっているものを追いかけるのも様式や和声感の変化がわかって面白いと思います。





2018年9月20日木曜日

ルネサンス時代からバロック時代、、、サウンドがどのように変化したか?(1)

ジョヴァンニ・ピエルルイージ・ダ・パレストリーナ (ca.1525~94)はイタリア・パレストリーナ出身、後期ルネサンスを代表する音楽家です。ルネサンス期のイタリアは、殆どフランドル地方出身の音楽家を雇うのが常で、ローマ教皇庁の音楽隊にもフランドルの音楽家を招くという状態であったのですが、パレストリーナは最初のイタリア人音楽家として大きな名声を得た人物です。((Wikipedia; パレストリーナ)

パレストリーナの音楽は声楽ボリフォニーの究極のかたちで、順次進行を主体とした簡素・平穏・緻密なア・カペッラの書法です。後に「パレストリーナ様式」と呼ばれ、18世紀の音楽理論家で、当時やそれ以後の作曲家たちがこぞって勉強したヨハン・ヨーゼフ・フックス (1660-1741)の教則本た厳格対位法の模範であるとされています。

その1曲を聴いてみましょう。
穏やかな旋律の流れに、美しい多声の響き。。。
心が癒されるようです。

Palestrina - Sicut cervus - The Cambridge Singers

 


この曲をローマ・バチカンで歌われている様子を見てみましょう。
実際、礼拝で使われる時はこんな雰囲気なのでしょう。
響き合う声が天上から降り注いでくるように神々しく、まるで地上のものとは思えない。。魂が救われるように感じるし、非常にありがたく感じてしまいます。


さて、この曲は一体どういう歌詞なのでしょうか?
以下がこの曲の歌詞です。

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Psalm 42 (詩篇42)
Sicut cervus desiderat ad fontes aquarum, ita desiderat anima mea ad te, Deus.
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Like as the hart desireth the water-brooks: so longeth my soul after thee, O God.

(涸れた谷に鹿が水を求めるように、神よ、私の魂はあなたを求める)
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しかし、この歌詞を見ると、、、
この詩篇をどう読み解くかにもよるかも知れませんが、この歌詞には「魂の渇望、神に対する渇望感」みたいな意味をあるのではないか? この音楽は、この歌詞の意味を伝える役目を果たしているだろうか。。。

ここに、16世紀後半の後期ルネサンスから初期バロック時代のフィレンツェに登場する、人文主義者、詩人、音楽家、その他の知識人たちで作られた、古代ギリシャやローマを規範とするサークル、カメラータの人たちには納得いかず、古代音楽のスタイル、キタラ伴奏付き独唱歌であるギリシアの「モノディ」の模倣が試みられました。

このルネサンス後期の音楽的特色と新しいスタイル、モノディーを非常にわかりやすく、面白く解説してくれているビデオを見つけたので、シェアします。こんなのが作れるなんてすごい!これを大学院生時代に見たかった!(但し、英語です。。)


2018年9月19日水曜日

Skypeピアノセミナー (9/21/2018)--J.S.Bach: Invention no.1

毎月1回、鹿児島鴨池にある1997年創業の英語・音楽(ピアノ・ヴォーカル)・カルチャー教室・エバーグリーン (http://cozyeg.com/)と大阪の自宅を中継で結んでセミナーを行っているのが、このSkypeピアノセミナーです。明日のために勉強、勉強。。。

9月のテーマは「J.S.Bach: Invention no.1」です。

バッハをどう弾けばバッハらしくなるのか分からない、どのように解釈して弾けば良いか分からない、自分がやっていることが正しいか分からない、などという意見もよく耳にしますし、と言ったいのが苦手という人も多いと思います。

もともと、バッハは今あるモダンピアノで作曲したわけではありません。音域も違えば、出る音量も違う。バッハの時代の楽器で演奏を聴いて、雰囲気を掴んでみましょう。

まずはクラヴィコード。

クラヴィコードはをタンジェントと呼ばれる金具で突き上げることで発音する鍵盤楽器である。長方形の箱形の楽器で、テーブルや専用の台などの上に置いて用いる。音量はチェンバロなどに比べると小さいが、打鍵の強さによって音に強弱をつけることができる。
(Wikipedia: クラヴィコードの解説 (Wikipedia))
 
クラヴィコードの演奏を聴いてみましょう。


 もうひとつ、非常に素敵な演奏をする、日本人の男の子がいるので、ご紹介。
アムステルダムで行われたバッハプロジェクトにも参加した、将来有望視されている男の子のようです。非常に音楽的。


クラヴィコード演奏:大藤莞爾
楽器制作:山野辺暁彦

彼はInvention No.2をハープシコードで演奏できているのですが、それもおすすめですが、それは、また別の機会に。。


次はそのハープシコードの演奏です。
(チェンバロのWikipediaの解説はこちらのリンクでご覧ください。)

ところどころに入る即興的な装飾音符と、フレーズとフレーズの間に入流、抑揚を表現するような間合いにも注目してみましょう。

  
Benjamin Alard, harpsichord

これらの弾き方を現在のピアノにどれだけ反映させるかは、それぞれの好みにもよると思いますが、分析などから得た情報や、その他の知識などと組み合わせて、曲の雰囲気、テンポの設定、指のタッチ、強弱を決める判断材料にしていくと良いと思います。


D.スカルラッティについて知ってみよう。(1)イタリア時代

イタリア・ナポリ出身でバロック時代の鍵盤曲に新しい用法を取り入れた重要な作曲家、ドメニコ・スカルラッティ。J.S.バッハやヘンデルと同様、1865年生まれの作曲家です。楽曲セミナーでD.スカルラッティの鍵盤ソナタを勉強するにあたり、生い立ちを調べ直してみることにしました。 ...